アート作品を「所有したい」と最初に思ったのは、いつ頃ですか?
最初に作品を欲しいなと思ったのは大学3回生の時です。絵本作家のミロコマチコさんの個展を見に行った時に飾ってあった猫の絵がとても良くてはじめて原画を欲しいなと思いました。お金は全然持ってなかったので買えませんでしたが。
作品を初めて購入したのはそれから一年後くらいだったと思います。同じ学科の一つ年下の子にとてもカッコイイ作品を作る子がいて、いつも影響を受けていました。彼の作品がギャラリーで数千円で売っていて、学生時代の私でも買える値段でしたので購入させていただきました。
アート作品を購入することに至った決め手はありますか?
直感的にカッコイイなと思ったり、その作品からずっと目が離せなかったりする時に作品を購入させてもらうことが多いです。自分自身出せる金額かどうかも重要です。あと人柄や制作に向き合う姿勢みたいなものも作品を購入する際に重要視しています。
所有しているアート作品はどのように楽しんでいますか?
作品は壁に飾っています。大量生産されたものでなく作家さんが時間をかけ制作した作品を所有できるのは貴重なことだと思っています。作家さんから作品を購入させていただいた瞬間も嬉しいことだと思っています。作品を購入させてもらうことで作家さんに少しでもお金が還元され今後の活動や新しい作品制作の資金にしてもらえると思うとワクワクした気持ちになります。
オンライン上で展示や作品を見ることと、実際に生で見ることの違いはありますか?
使ってる素材やサイズ、撮影方法でオンライン上の方が良く見える場合があったり、生で見たほうが良く見える場合、色々あると思います。作品全体を通した展示空間の見え方や作品同士の響き合いみたいなものはオンラインだけで感じ取るのは難しいと思います。なので実際の展示は生で見た方がいいと思います。
どんなアート作品をこれから所有したいと思っていますか?
フィリップ・ワイズベッカーさんの作品です。彼の原画は東京のギャラリーでやっていた個展で見ました。描けそうで描けない独特なパースにはとても惹きつけられます。原画は私でも頑張って貯金したら買える金額ではあったので、今は難しいですが金銭的な余裕が出来れば一枚は持っておきたいです。
あなたにとって「Owned Art(所有しているアート作品)」は、どんな存在ですか?
影響をもらえる存在です。私が美術大学に通ってた頃は身近にカッコイイ物を作る人がたくさんいて作品を作るという行為は自然なものでしたが、大学を卒業してからは周りに作品を作る人がほとんどいなくなってしまい制作が全くできない時期がありました。そういう所から無意識にカッコイイ作品を身近に置いて、自分自身の制作の活力にしている部分もあると思います。
アート作品をこれから購入する方に向けてアドバイスなどありますか?
日本ではギャラリーで作品を購入する行為が馴染みないことだと思います。日本で美術館に行ったことある人はたくさんいても、ギャラリーに行ったことのある人はまだまだ少ないと思います。ギャラリーでの展示はほとんどが入場無料で、何十万、何百万するような作品だけじゃなく、数千円から数万円で購入できる作品もあるので、色々なギャラリーを見てまわって自分の直感や予算に合わせて好きな作品を見つけてもらえたらいいなと思います。
森丈人(アーティスト)
1994年京都生まれ 京都府在住。2017年京都精華大学 デザイン学部 卒業。ネット上に無数にある画像データから素材をサンプリングし、オブジェ、平面作品の制作を行っている。
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